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2025年9月2日

【3分で読めるコラム】マテリアル・ケミカル・サーマル…リサイクルの種類をやさしく解説

リサイクルという言葉は私たちの生活の中でとても身近になり、さまざまなビジネスでも当たり前に取り組む活動となっています。「資源を再び活かす」という意識は、今や社会に広く浸透しているとも言えるでしょう。 

ところが、その「リサイクル」にもいくつかの種類があることをご存じでしょうか。

中でも「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」という言葉を耳にしたことはありませんか。

なんとなく分かっているようで説明は難しい…。そこで本記事では、この3つのリサイクルについてわかりやすく整理し、それぞれの特徴、日本での現状を解説していきます。

「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」とは?

これらの言葉は、特にプラスチックのリサイクルをイメージすると理解しやすくなります。ここではプラスチックを例に解説していきます。

1. マテリアルリサイクルとは

回収したプラスチックを原料として再生する方法で、「材料リサイクル」と呼ばれることもあります。具体例としては、使用済みプラスチックがパレットや土木建築資材などに生まれ変わるケースです。かつては産業系製品が中心でしたが、容器包装リサイクル法の施行や技術向上により、家庭ごみ由来のプラスチックも再び資源として活用されるようになっています。

2. ケミカルリサイクルとは

廃プラスチックを化学的に分解し、化学原料として再利用する方法です。例えば、化学工業の原料として再び利用し、繊維製品や肥料の生産に役立てるケースがあります。国内では専用プラントが各地に設置されており、マテリアルリサイクルでは対応が難しい廃棄物にも活用できる点が特徴です。

3. サーマルリサイクルとは

廃プラスチックを焼却し、その熱エネルギーを回収して利用する方法です。石炭など化石燃料の代替として利用したり、焼却時の熱を使って発電や温水プールの加温に活用したりといった取り組みが広く行われています。

参考:プラスチック循環利用協会『プラスチックとリサイクルの8つの?』https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf3.pdf

リサイクルの写真

「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」環境負荷の違い

リサイクルの最大の目的は環境負荷の低減にありますが、それではこの三つの環境負荷はどのように異なるのでしょうか。

環境省によれば、マテリアルリサイクルは天然資源に頼らず、資源・エネルギー消費も抑制できるなど、環境負荷が比較的少ないケースが多いとされています。
また、 カスケードリサイクルやケミカルリサイクルを組み合わせることで、有効利用の幅を広げることが可能な一方で、エネルギー負荷や環境負荷の課題も存在すると指摘されています。

一方、サーマルリサイクルは焼却による「熱回収」に分類され、CO₂排出が伴うことは避けられないとされており、リサイクルの中でも一段踏み込んだ「資源循環」とはいえない面があります。

参考:環境省ウェブサイト
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h24/html/hj12040111.html
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/html/hj19010302.html

これだけの情報では、マテリアルリサイクル>ケミカルリサイクル>サーマルリサイクル と考えられるかもしれません。

しかし、マテリアルリサイクルのために求められる分別や運搬によって発生するCO2がどのようになっているか、といった、考慮すべき点は少なくありません。

大きな方針としては、単純な焼却や埋め立ての回避を目指して、さまざまな技術が日々進歩しています。

空と緑の写真

日本における割合は?

それでは、日本における3種類のリサイクルの割合はどのようになっているのでしょうか。

一般社団法人プラスチック循環利用協会がまとめた「プラスチックのマテリアルリサイクルフロー図(2023年)」によると、プラスチック廃棄物の利用状況は以下の通りです。

  • マテリアルリサイクル:25%

  • ケミカルリサイクル:9%

  • サーマルリサイクル:54%

  • 未利用:12%

(出典:プラスチック循環利用協会『プラスチックリサイクルの基礎知識2025』)

出所:上記データを基にEBC作成

この数字から、日本ではサーマルリサイクルへの依存度が高く、今後さらなるマテリアル・ケミカルリサイクルの拡大が求められていることが分かります。

まとめ:EBCの取り組み

リサイクルには大きく3つの方法があり、それぞれにメリットと課題があります。
いずれにしても、単純な焼却や埋め立てを回避し、少しでも資源を循環させるために技術は日々進歩しています。

「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」の一角を担うリサイクルを進めることは、持続可能な社会の実現に欠かせません。

EBC株式会社では、樹脂プラスチックのリサイクルに加え、リユース事業にも取り組んでいます。詳しくはHPをご覧ください。

お問い合わせ

EBC株式会社

本社:東京都中央区新川1-7-3ウィンド新川ビル4F

工場:茨城県つくばみらい市台1800-1

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