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2025年10月22日
【資源よもやま話】窓枠や水道管、素材は何?プラスチックのいろいろ
 
 
目次
家を支える素材たち
プラスチック製品が身近になる中、プラスチックといえば飲料のペットボトルやレジ袋を真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。
ですが実は、私たちの住まいのあちこちにも、プラスチックはたくさん使われています。
水道管など見えにくいところだけではなく、庭にある屋根や窓枠など、日ごろ目に入るところにも。プラスチックは、暮らしを支える重要な存在なのです。そこで今回の資源循環よもやま話は、家を支える素材たちに着目していきます。

窓枠:塩化ビニル樹脂(PVC、ポリ塩化ビニル)
住宅でよく使われる「樹脂サッシ」。その正体は 塩化ビニル樹脂(PVC) です。熱を伝えにくいため、部屋の温度を一定に保ち、冬の結露を抑えて室内を快適に保ちます。アルミサッシに比べると断熱性能は大きく向上し、省エネ住宅に欠かせない存在となっています。
この「燃えにくい」という特性が家にとっては大切!もっと詳しく説明すると、火が遠ざかると自然に消火するのです。
そのため、家の床材や壁材にも使われているのですよ。
水道管・下水管:PVCやPE
地中に張り巡らされた水道管や下水管も、プラスチック製が主流です。
塩化ビニル樹脂(PVC)や ポリエチレン(PE) が多く使われ、軽くて施工しやすく、金属のように錆びないため耐久性にも優れています。

PVCのおどろきポイント
暮らしを支えるプラスチック製品の中でも、塩化ビニル樹脂(PVC)はさまざまな形で活躍していますね。プラスチックだから原料に石油が使われていますが、それよりもさらに多い割合で含まれているのはいったい何かわかりますか?
実は、塩!
原料のうち石油は4割、残りの6割が塩なのです。
どうやってリサイクルされる?
ここで気になってくるのが、「役目を終えた時にどう処理されるか?」という点です。塩化ビニル樹脂(PVC)はリサイクル性にも優れています。例えば住宅の改修・解体を例にすると以下のようなイメージです。
- 分別回収:住宅の改修・解体現場で材質ごとに分別。
- 破砕・粉砕:分別した原料を細かく砕く。
- 異物除去:金属やガラスなど異物を取り除き、純度を高める。
- 再生加工:再びペレット化し、新しい建材や工業資材へ。
リサイクルの壁
とはいえ、現場には課題もあります。ガラスや金属と一体になった建材は分離が難しく、リサイクル効率が下がるのです。その場合はサーマルリサイクル(熱回収)に回され、燃料として活用されるケースも少なくありません。
新しい取り組み:水平リサイクル
近年では「古い窓枠を新しい窓枠に戻す」水平リサイクルの実証も進んでいます。自治体・メーカー・建築業界が連携して仕組みをつくり、循環利用を拡大しようとしているのです。
リサイクル製品の開発においては、異物・過去の添加剤(鉛系安定剤)の影響を考慮し、製品の適切な箇所での活用が進んでいるようです。
お問い合わせはお気軽に
窓枠や水道管といった「家を形づくるパーツ」でも、プラスチックが活用されていますね。
日用品以外の活用用途にもぜひ注目してみてください!
参考
・塩ビ工業・環境協会『塩ビって知ってる?』
・社会資本整備審議会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会 交通政策審議会交通体系分科会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会 第17回合同会議(令和6年7月2日)関係団体からのヒアリング 資料 (一社)日本建材・住宅設備産業協会「建材におけるリサイクルの動向について」https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/13_shiryou3-7.pdf
「資源循環よもやま話」では、これからもさまざまな素材や業界のことを、わかりやすく、そして少し身近に感じられるような形で、お届けしていきます。
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